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DMSAおよびDMPSの概要

重金属は、一度、体に同化されると、色々な症状を起こす原因になり、取り返しの付かない結果を招くことがしばしばあります。キレート化は解毒方法の一つで、危害を及ぼす金属が、分子の環状構造に入り込み、肝臓から排泄され、その結果体外に除去されます。キレート剤である、DMSA(2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸) とDMPS(メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸)は金属、例えば、鉛、水銀、アンチモニー、砒素などの解毒剤として知られています。DMSAもDMPSも基礎化学の面では良く研究されていて、既に50年以上の臨床結果があります。現在ではDMSA(商品名:Succimer)はFDAが小児用の鉛解毒剤として認可しています。一方、DMPS(商品名:Dimaval) は、米国とカナダでは医薬品として承認されていません。しかし、薬剤の調合時に使用可能な原薬として米国FDAリスト中に記載されており、金属の解毒剤として米国の医師に広く使用されています。DMPSは他の国々、例えば、ロシア共和国、では承認されています。又、ドイツなどでは処方箋無しで買うことが出来ます。DMPSはヨーロッパでは1976年以来、販売され、その後も使用されています。西独では副作用が殆ど無い事もあって、10種類以上の治療薬の一つとして利用されています。
DMSAはスルフヒドリル基系の水溶性、無害、経口金属キレート剤で、鉛中毒の治療法として良く知られています。数々の研究によると、尿中に鉛、水銀を排泄し、血中濃度を下げます。DMSAの誘発が、他の誘発剤と相まって、累積した金属を除去し、鉛と水銀が軟部組織に再分配されるのを防ぎます。また動物モデルの脳細胞から金属類を除去することも知られています。DMSAの使用による利点は、消化器系または皮膚の副作用への耐性に優れ、また必須元素の排泄を最低限にする効果が認められています。
DMPSは水溶性の、キレート剤で、経口又は静脈注射により使用されます。DMPSを水銀と砒素の解毒剤として使用する事はごく一般に行われています。DMPSは人体に対してよく使用されており、例えば水銀と砒素を初め色々な金属の蓄積量を概算するための診断テストに使用されています。MDPSの副作用はさほど強くありませんが、悪心、無力感、めまい、皮膚の痛痒感、利尿などが見られます。
鉛、水銀、アンチモニー、砒素などの体内蓄積を調べる効果的な方法として、DMSA やDMPSによる負荷検査があります。若し負荷検査後の尿中の金属濃度が有意であると認められる場合、適当な治療法が適用されます。

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