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DMSA 負荷検査のプロトコル

DMSA( メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸 ) は、 FDA が鉛の解毒作用を持つ化学物質として認定しています。 DMSA はまた水銀、アンチモニー、ヒ素などの金属の解毒作用を持つ化合物としても広く使われています。一方 DMPS もジチオール金属キレート剤ですが FDA の認可を受けていません。しかし医師が調剤できる原薬として FDA が出しているリストには含まれています。胃腸管からの DMSA の生体利用率は DMPS の1 / 2です。 DDI での研究では、経口で DMSA を 30 mg / kg /日、数分割で3日間投与すると尿中の Hg 量は、 DMPS を単回静脈投与または経口投与した場合の1 / 5~1 / 10であることが指摘されています。このため毒性金属の蓄積量を査定するとき最初に DMSA よりむしろ DMPS を誘発剤・モニター剤として使う医師が少なくありません。誘発剤として DMSA を経口投与する医師に対しては、下記のプロトコルが準備されています。

DMSA 負荷検査プロトコル

(1)最近発表された研究( J.Nutr Envir Med 1998;8, 219-231 )および DDI での研究によると、空腹時に DMSA を体重1kg当たり 20~30 mg (2gm未満)単回大量投与し、その後 6 時間で尿を採取した場合、尿への高い金属排出量が認められます。このプロトコルの場合、患者によってはガス、膨満,軟便などの症状が出ることがありますが、通常は投与後 6 時間以内に治まってきます。投与する前には膀胱を空にし、食事は 2 時間控えさせます。また半リットルから 1 リットルの浄水を摂取させます。 6 時間採取した尿検体を良く混ぜ、 60 ml のアリコートを取り分けて Doctor's Data 社へ提出し、分析を依頼します。
(2)(1)と比べると効果は低くなりますが、一般に使われる DMSA 負荷検査プロトコルは次の通りです。患者に DMSA を体重1kg当たり 10 mg 食間に 1 日 3 回、 3 日間連続して服用させます。3日目の分を服用させながら、 24 時間尿を採取させます。すなわち 3 日目の DMSA を服用させながら、服用 3 日目の最初の朝の排尿後から 4 日目の最初の朝の排尿まで、 24 時間尿を採取させます。
どちらのプロトコルの場合でも、 DMSA 投与前 24 時間と投与中はミネラル(マグネシウムは例外)の補給や SH 含有サプリメントの摂取は中止してください。
注:万人向けの投与量は存在しません。最初の負荷検査を始める前に 100 mg 未満の DMSA で試すのが賢明でしょう。

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