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腸管浸漏症候群検査:ゾヌリン検査

血中を循環しているゾヌリンは、腸管浸漏症候群の便利な臨床マーカーになり得ます。ゾヌリンは腸管浸漏症候群を可逆的に調節するタンパク質です。消化管と肝臓で合成されます。ゾヌリンは、消化管上皮細胞間のタイトジャンクションの分解を誘導するので、ゾヌリンが高濃度になることは、腸管浸漏症候群の増進と関係しています。ゾヌリン濃度上昇や腸管浸漏症候群のエビデンスと関係している自己免疫疾患、炎症性疾患、そして腫瘍が存在します。その様な疾患には、セリアック病、I型糖尿病、若年性非アルコール性脂肪肝疾患が含まれ、また、多発性硬化症、関節リューマチ、喘息、そして炎症性大腸疾患もエビデンスが集積しつつあります。肥満成人やグルコース不耐症の成人では、ゾヌリン濃度が上昇している場合があります。ゾヌリンの血清中濃度上昇と腸管浸漏症候群の増進は、クローン病やI型糖尿病を発症しつつある患者で、症状が顕在化する前に観察されることが一般的です。

ターンアラウンドタイム(検査結果が通常ラボに検体が到着してからの時間)
3~5日間

この検査は以下の症状や疾患に対して有効です:

  • セリアック病
  • I型糖尿病
  • 若年性非アルコール性脂肪肝疾患
  • 多発性硬化症
  • 関節リュウマチ
  • 喘息
  • 炎症性大腸疾患
  • 成人グルコース不耐症

詳細情報

ゾヌリンの細胞受容体は、小腸や大腸、心臓、そして脳に存在し、ゾヌリンがノリのようになり完全に密着しています。しかし、麦のグリアジン断片や腸管細胞表面に細菌の接合などがあると、消化管粘膜からゾヌリンは放出されます。この他、単糖、ナトリウム、乳化剤、微生物作用によるトランスグルタミナーゼ(食品添加物)、そしてナノ粒子は、消化管バリアー機能を破綻させることが知られています。

ある種のプロバイオティクスを使用することによって、血清と便中のゾヌリン濃度が低下することが示されています。胃腸粘膜バリアーを回復させるのには、食事の変化、ディスバイオーシスの治療、消化機能の支援、そして抗炎症治療などを行います。以下のサプリメントがおすすめです。(ドクターズデータ社ラボの見解)

 ① L-グルタミン:腸管細胞を活性化させます
 ② アロエベラ:健全なプロスタグランジン(PGE1)の代謝、免疫メディエーターの活性、
         腸管内の酸化代謝物から腸管を守ります
 ③ オメガ-3脂肪酸 (EPA、DHA):特にEPAは腸粘膜の炎症を抑えます
   ガンマリノレン酸:健全なプロスタグランジン(PGE1)の促進と免疫をサポートします
 ④ クルクミン:腸粘膜の炎症を抑えます
   ケルセチン:腸粘膜の炎症を抑えます
 ⑤ 亜鉛:細胞の組成に必要な補酵素です
 ⑥ ベータカロチン:免疫をサポートします
 ⑦ パントテン酸:副腎へのストレス改善に役立ちます
 ⑧ ビタミンC:すべてに必要なビタミンです
 

入手方法は米国サプリメント会社Pure社の国内代理店である(株)デトックスの情報です。必ずこのブランドを使用する必要は無いとしてもDDI社Dr.Andreaの推薦もお聞きしました。後のページをご参照下さい。 腸管浸漏症候群の潜在的な原因(腸内環境、免疫、炎症、栄養状態など)を更に調査する場合は、総合便検査 (Comprehensive Stool Analysis (CSA))を検討します。

小腸でのゾヌリンの発現は、ケモカイン受容体がグリアジンやケモカインによって刺激され、胃腸上皮細胞内の炎症促進生シグナリングが誘導される時に起きます。放出されたゾヌリンは、細胞シグナル経路を、上皮細胞増殖因子とプロテアーゼ活性化受容体2を介して活性化させ、これにより胃腸上皮細胞間のタイトジャンクションが分解されます。タイトジャンクションの喪失は、消化管透過性を増大させ、胃腸の上皮細胞間から粘膜固有層への、ポリペプチドとその他の巨大分子の通過を可能にさせます。巨大分子とポリペプチドは、腸内免疫系の抗原抗体反応を誘導して、炎症促進性サイトカインの生産を促進させます。

ゾヌリンはプレハプトグロブリンの一種です。そして、濃度はハプトグロビン(HP)遺伝子の存在や欠損によって調節されます。ゾヌリンが、消化管トリプターゼIVによって分割されると、ゾヌリンは、ヘム(鉄)と結合する特性があり、そして抗菌特性があるタンパク質であるハプトグロブリンに転換されます。HP-1-1遺伝子型では、HP遺伝子のコピーはゼロ(ヌル)です。HP-2-2遺伝子型では、遺伝子のコピーは2つ存在し、そして、HP-1-2遺伝子型では遺伝子のコピーは1つ存在します。HP-1-1(ヌル)遺伝子型では、たとえその他のバイオマーカーによって炎症性疾患や自己免疫疾患が確認されても、ゾヌリンの濃度は正常範囲内に留まるでしょう。ネフローゼ症候群では、ゾヌリン濃度は増加するでしょう(HP2-1ないしはHP-2-2表現型)。



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