DNA Oxidative Damage Assay DNA遺伝子への酸化障害検査
酸化ストレスは、加齢と発癌を含む病態生理学的な過程で悪影響を与えています。DNAの酸化は、グアノシン塩基の部位で容易に起きるので、尿中の8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-OHdG)濃度を測定することによって、体内で進行中の酸化障害やストレスの定量的な評価が可能になります。8-OHdG濃度が上昇した場合、酸化ストレスの元を見極め、主要な細胞内抗酸化剤であるグルタチオンの量を評価することが重要です。酸化ストレスを減らす道筋をとることは、健康と長寿のために有用なことです。この無侵襲の検査には、朝一番尿(FMV)の採取が可能です。
ターンアラウンドタイム(検査結果が通常ラボに検体が到着してからの時間)7から9日
- 酸化ストレス
- メタボリックシンドローム
- アルツハイマー病
- アトピー性皮膚炎
- 癌
- 慢性肝炎
- 嚢胞性線維症
- 糖尿病性ネフロパシー
- 糖尿病性網膜症
- 環境への暴露
- ハンチントン病
- 炎症性大腸炎
- 膵炎
- パーキンソン病
- 関節リューマチ
詳細情報
尿中の8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-OHdG)は、酸化ストレスの良いバイオマーカーとなり、また、癌を含めた様々な疾患のリスク因子でもあります。活性酸素種(ROS)が、通常の酸素代謝や生体異物への暴露の結果産生されます。そしてROSが過剰になると、脂質、タンパク質、そしてDNAへの酸化障害と関係します。ROSによる核のDNAとミトコンドリアDNAへの障害は、グアノシン塩基に容易に起き、その為グアノシン塩基はDNA修復機構によって除去され、尿中に排出されます。8-OHdGは、最も頻繁に検出され、そして研究されているDNAの酸化されたヌクレオシドで、腫瘍形成の開始と進行に関与する可能性があるので、突然変異の前段階だと考えられています。膀胱癌と前立腺癌は、8-OHdG濃度上昇と関係しています。
酸化ストレスとROSに誘導される8-OHdGの濃度上昇は、嚢胞性線維症、アトピー性皮膚炎、関節リュウマチ、膵炎、慢性肝炎、炎症性大腸炎、そしてパーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病などの神経学的な疾患を含む数多くの病的過程と関係しています。8-OHdGの濃度上昇はまた、高血糖とも関係しており、HbA1cや、糖尿病性ネフロパシーと糖尿病性網膜症の重症度とは正の相関があります。環境要因、喫煙や趣味としての麻薬などの生活様式の選択肢、そしてある種の市販薬も尿中8-OHdG濃度の上昇と関係しています。室内ラドンなどのイオン化放射線、アスベスト、或いはマンガン、クロム、そしてバナジウムなど有害金属とその煙霧物、ディーゼルの排気ガス、ベンゼン、スチレン、トルエン、そしてキシレンへの暴露を含む環境要因も知られています。尿中の8-OHdG濃度と尿中の発癌性金属の濃度測定結果が相関していることから、子供達は、小学校で石炭火力発電所から放出される有害な発癌性金属ミネラルに暴露されているのが分かります。
8-OHdGの濃度がほどほどに上昇している場合は、カロテノイド類、酸化防止剤が多量に入った食品、そしてサプリメントの抗酸化剤の摂取が不十分であることが考えられます。朝一番尿で8-OHdGの濃度が上昇していたのならば、酸化ストレスや炎症が起きている原因を調べる、主要な細胞内抗酸化機構であるグルタチオンが機能していることを検証することが勧められます。酸化ストレスを改善しようとする治療介入の有効性は、尿中の8-OHdGとグルタチオン濃度を繰り返し検査することによってモニタリング出来ます。
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