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総合神経生体アミン検査:尿経路

尿中神経生体アミンを測定することによって、末梢神経系内で、また脳血管関門の後方で神経伝達物質を合成し代謝する患者の総合的な能力を評価します。尿中神経伝達物質の状態の変化は、代謝異常、気分または行動障害などの疾患、まれな例では特定の腫瘍の存在などにより影響される場合があります。尿神経伝達物質濃度と健康状態との関係は科学文献で記録されており、健康に関する総合的な評価の一部として貴重な洞察が得られる可能性があります。

ターンアラウンドタイム(検査結果が通常ラボに検体が到着してからの時間)7~9日

検査の対象となる項目

基準範囲、検体収集、検体の安定度および検体不合格の基準などの詳細。
分析対象項目
3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC);尿
3-メトキシチラミン(3-MT);尿
5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA);尿
カテコールアミン分画、遊離:
クレアチニン;尿
ドーパミン、遊離;尿
エピネフリン、遊離;尿
ガンマアミノ酪酸:尿
グルタミン酸塩;尿
グリシン;尿
ヒスタミン;尿
メタネフリン分画:
メタネフリン;尿
ノルエピネフリン、遊離;尿
ノルメタネフリン;尿
フェネチルアミン(PEA) ;尿
セロトニン;尿
タウリン;尿
トリプタミン;尿
チラミン;尿
チロシン;尿


検査の目的
  • カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)の機能検査
  • 神経学的アンバランスの特定
  • 治療への反応の測定
  • リスク評価

詳細情報

尿神経生体アミン(神経伝達物質)とその代謝物を分析することで、神経伝達物質代謝の非侵襲的評価を行えます。神経伝達物質検査は、治療の機会を与える場合もあり、それによって臨床的効果と患者の健康上のアウトカムを改善させる可能性があります。

最近の科学文献レビューは、神経生体アミン検査が臨床診療で役立つ場合があることを示しています:

  • 機能検査---神経生体アミン代謝は、カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)を含む種々の酵素により引き起こされる可能性があります。神経伝達物質およびその代謝物のパターンが、この2つの重要な酵素の機能に関する情報を表します。
  • アンバランスの確認---研究では、尿中神経生体アミンの測定値は、例えばうつ病やPTSDなどの神経学的状態と相関する可能性があることを示しています。
  • 治療に対する反応---セロトニンのような特定の神経生体アミンは、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)のような神経伝達物質前駆体を補給することで変化する可能性があります。なお、これらの変化は、尿に顕著に表れる場合があります。
  • リスク評価---尿中のセロトニン、ドーパミン、グルタミン酸塩などの濃度の変化は、神経行動学的な毒性を示すバイオマーカーと考えられています(化学物質または毒性物質成分への環境暴露に起因する症状)。

経伝達物質または「生体アミン」は、シナプス前ニューロンから神経細胞と神経細胞との間のシナプスへと分泌され、シナプス後ニューロン上で受容体を刺激します。神経伝達物質の全ては、芳香族必須アミノ酸から産生されます。神経伝達物質の代謝は、体の至る所で様々に発現する酵素によって引き起こされる可能性があります。神経伝達物質と代謝産物の血中濃度は、特徴的な原因により影響を受けます。神経生体アミンの尿中濃度は主に末梢神経系および腸壁神経系の活性度を反映します。尿神経伝達物質の最高20パーセントが中枢神経系から生じることが推定されています。

正常な酵素機能に必要とされる栄養補助因子(ビタミン、ミネラル)が欠如すると、酵素機能と神経伝達物質濃度を低下させる可能性があります。神経伝達物質受容体と代謝酵素は、受容体または酵素機能に影響を及ぼす可能性がある突然変異および一塩基多型(SNPs)の影響を受け易い場合があります。正常な神経伝達物質受容体の機能は、正常な神経伝達物質の活性のためにも必要です。神経伝達物質濃度は、食事、生活様式、および、他の健康状態、例えば:ナトリウムの大量摂取、年齢、性、肥満指数、腎機能、環境曝露、感染と喫煙によって影響される可能性があります。

尿神経生体アミンを測定することで、末梢神経系内および血液脳関門(BBB)の後方で神経伝達物質を合成し代謝する患者の総合的な能力を評価します。尿中神経伝達物質の状態の変化は、代謝異常、気分または行動障害などの疾患、環境暴露、まれな例では特定の腫瘍の存在などにより影響されることがあります。尿中神経伝達物質を評価することで、患者の健康と機能の状態が一層明瞭になる可能性があります。

尿中神経生体アミン・プロフィールは、健常に機能するために必要な神経伝達物質分子の合成・代謝を評価できる非侵襲的な方法です。神経伝達物質検査によって得た情報は、治療の機会を与える場合もあり、それによって臨床的効果と患者の健康上のアウトカムを改善する可能性があります。尿神経伝達物質濃度と健康状態との関係は科学文献で記録されており、健康に関する総合的な評価の一部として貴重な洞察が得られる可能性があります。

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