DMPS 負荷検査のプロトコル(経口投与)
経口 DPMS
経口用DMPSの入手または使用が可能であることを知らない医師が少なくありません。 DMPSの静脈投与は、実は、急性金属中毒によって金属の血中循環濃度が高い場合の治療法です。慢性金属中毒は急性と異なり、ほとんどの場合有害金属が循環しているのではなく、細胞の中で厳重に隔離されている状態です。Dimaval(Heyltex社製品)の薬物動態学研究では、ヒトの被験者の場合経口投与された DMPSの45~60%は吸収され、 DMPSの最大尿中濃度は経口投与後2~3時間で現れます(空腹時摂取の場合)。動員された金属の大半は最初の2~4時間で尿中に排出され、その後の尿中の金属濃度は(μ g/gm クリアチニン)薄められて減少します。このように負荷検査においては、DMPS投与後6時間の間で尿を採取することが推奨されます。
負荷検査プロトコル
ドイツ人研究者の中には、 DMPS の経口投与量を 患者の身長・体重に関係なく一律に 300mgとしている著者もいます。しかし DMPS が50%吸収されるとすると、静脈投与の約2倍、あるいは500mgを患者に投与することが論理的であると思われます。ある研究者は負荷検査プロトコルでの投与量を体重1kg当たり10mgと記述しています。通常の成人用負荷検査プロトコルでは、体重1kg当たり10mg(子供では5mg)の経口ボーラス投与を行い、その後6 時間で尿を全部採取するとしています。 DMPS 投与前の24時間および投与の当日は、マルチ・ミネラル・サプリメントの摂取を控えることが推奨されます。また負荷検査前の1週間はすべての魚介類の摂取を控えたほうが良いでしょう。
要旨
1.患者は、約8時間絶食すること。
2.DMPSを10mg/kg(500mg以内)経口投与する前に膀胱を完全に空にすること。
3.水分を0.5~1リットル摂取すること。
4.投与後6時間ですべての尿を採取すること。
5.必要ならば、DMPS投与して2~4時間経ったら軽食(魚以外)を取ることができます。
金属の解毒治療を目的としてDMPSを経口投与する場合のプロトコルは別途入手可能です。